'); document.close(); -->
りん、と音がひとつ鳴れば
さっきより周りの空気が涼しげに感じられる。/p>
風鈴のある夏は、心やすまる夏です。




りん、という音に“夏”を告げられる。 風鈴の音だ。それはどこで聞いても同じようでいて、決して同じ音ではない。あるものは頭をくすぐるように軽やかな高い音を出し、またあるものは少し重くお腹の辺りに響いてくる。どの音も耳に心地よい。『篠原まるよし風鈴』の風鈴は、とりわけやさしい音がする。その音色に秘められた手仕事を訪ねた。
「一つひとつに心を込めるようにしています」と語る、『篠原まるよし風鈴』の店主・篠原正義さん。伝統の“江戸風鈴”を守る数少ない担い手だ。 “江戸風鈴”は、宙吹きと呼ばれる昔ながらの製法で作られる。ガラス管(共竿)の先に小さくガラスを巻きつけ、くるくると回しながら息を吹き込む。一つひとつ手作りだからこそ、それぞれのガラスの厚みや大きさが微妙に変わり、音色もおのずと変化する。 年に1万個以上作る、というから驚いた。「宙吹きは冬場にまとめて行います。それ以外の時期は絵付けをしていますね」。出来上がったガラスに、内側から絵をつける。金魚や花火、季節の花などをはじめ、タヌキなどのかわいらしい柄も人気だ。 現在51歳の篠原さん。「親父は60歳を過ぎてからがピークだった。まだまだこれからですね」と語る。歳を重ね、さまざまな経験をしてきたからこそ、作品にもそれが表れるという。 音色のやさしさは、職人の想いの結晶でもあるようだ。