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大人の粋な休日特集 下町で小さな夏さがし その5 線香花火

美しい火花の中に見えるのは

夏の終わり。職人の想い。そして、人生。

日本の線香花火は、情緒たっぷりに輝きます。

日本の夏には、やはり日本の線香花火  山縣商店

おすすめの一品
大江戸牡丹・525円(10本)
1996年に販売が中止された「三河牡丹」の伝統技術をもとに復活した線香花火。

線香花火が表現する、起承転結

はかないからこそ、美しい。
線香花火は、よく人生になぞらえる。よくよく眺めていると、そこには確かに、いろんな人生の風景が浮かんでくるのである。
「線香花火には起承転結があるんです」。線香花火をこよなく愛する山縣さんにそう教わった。最初の赤い火の玉を“牡丹”、パッパッと飛び散る最盛期を“松葉”、長く散る“柳”、最後が“散り菊”。 火花が生まれ、散っていくのをしみじみと見つめ、終わりゆく夏と人生に思いを馳せるのも趣深い。

絶滅した国産の線香花火が復活!

300年以上続いた歴史に、一度は幕が下りた。 線香花火は、日本が生んだ夏の風物詩だ。しかし、時代とともに外国製にとって代わり、手間のかかる伝統の製法で続けていくことが難しくなった。そこに待ったをかけたのが、『山縣商店』の山縣常浩さんである。 「絶やすわけにはいかない」と、数少なくなった職人に声を掛けた。さまざまな試行錯誤と苦労があったという。「火薬を和紙で包む“撚り(より)手”に、84歳の名人おばあちゃんを見つけることができたのは大きかったですね」と山縣さんは懐かしそうに当時をふり返る。 そうして誕生した線香花火が「大江戸牡丹」。平成12年12月に開通した地下鉄大江戸線にちなんで名づけられた。和紙を使った見た目の美しさや火花の散り方は群を抜いていると言われる。 強い下町の情熱も、美しい火花とともに輝いている。